「君たちはどう生きるか」を読んだ

 
先日観た宮崎駿の原液「君たちはどう生きるか」。
その原作というか、同名の漫画が数年前に話題になっていたのは知ってるんだけど読んだことはなかった。映画版は全然内容が違うというのは聞いたことあるんだけど、どれくらい違うのかも含めて読んでみることにした。
そしてこの漫画にも原作の小説があるのね。1973年に出版されている小説、今から50年前!
 
で、内容は表紙に載っているのび太くんみたいな少年に、おじさん(お母さんの弟)が立派な人間になってもらうために伝えたいことをノートにしたためていくというもの。
漫画だったら読みやすいだろと思って読み始めたら全然そんなことなかった。メインコンテンツはおじさんのしたためたノートの内容なんだけど、これは普通に文章。文字列。テキスト。String。
 
おじさんのノートの中で一番印象に残ったのは「王位を奪われた国王」の話し。なるほどなーと思いながら読んだんだけど、後で調べたらフランスの哲学者パスカルの言葉らしい。
パスカルの言葉の全文はこちら。
王位を奪われた国王以外に、誰が、国王でないことを不幸に感じる者があろう。
ただひとつしか口がないからといって、自分を不幸だと感じる者があろうか。
また、眼が一つしかないことを、不幸に感じないものがあるだろうか。
誰にせよ、眼が三つないから悲しいと思ったことはないだろうが、眼が一つしかなければ、慰めようのない思いをするものである。
 
意味としては「人の苦しみは理想とのギャップから生まれる」という感じだと思う。王位につくことを考えたこともない人は、自分が国王じゃないことで苦しむことはないってこと。
いいこと言うなー、パスカル。でも「人間は考える葦である」はちょっとなに言ってるかわからない。